壁と建具の関係

リフォームをする際には、住戸内の納まりについてある程度基本的な部分を知っておいた方が、打合せなどもスムーズに進むので良い。
ということで、壁を構成する材料の厚みなどについて前回までは説明をしてきました。

外壁に面する壁と内部の壁で多少考え方は違うものの、45mmの木下地に対して12.5mmの石膏ボードを貼っていく考え方は大きくは変わりません。
施工をする側の立場で考えると、納まりを同じにすることによって同じ職人さんで工事が進むことになるので、やっぱり施工がスムーズに進むというメリットがあります。

あとは壁に取り付くことになる建具の仕様も合わせることが出来る、というメリットも。
マンションの内部で使うドアなどの建具は既製品を使うとコスト的なメリットがあるので、特に大きな問題がなければ既製品を使いたいところです。

パナソニックさんの建材などで調べてみると、既製品の建具には色々なシリーズがあって、当然色とか木目の場合の濃さなどを選ぶことが出来ます。
なので、施主としては「このシリーズの建具を使いたい」という要望をすればOKで、あとは壁の厚みによってリフォーム業者さんの担当者が選定してくれます。

壁の厚みによって建具の製品が変わるのかというと、細かい話ではありますが少しずつ変わってくることになります。
それは壁の構成とそれに取り付く建具の関係を見ればすぐに分かるはず。

壁と建具の関係

上図を見ると、壁の厚さに対してそれぞれ10mm程度出っ張った状態で建具の枠が取り付いているのが確認できます。
この10mmを「チリ」と呼び、一見無駄に感じてしまいそうですけど、施工をする際には結構重要な数値になってくるんです。

特に問題なければ壁の厚みと建具の枠は同じ寸法にしても良さそうに感じてしまいます。
しかしそれでは最終的に綺麗に仕上がってこないので、10mmのチリという納まりが建築の一般的な納まりということになっています。
これは以下のような理由があるから。

・建具枠は工場で製作するもので、かなりの精度で出来てくる

・一方壁は現場で施工するもので、施工精度をある程度想定しておきたい

・これらを同じ巾で設定するのは施工精度的に難しい

・同じ巾にしてしまうと、巾木は壁から出っ張るのでぶつかる相手がいなくなってしまう

…と、このような理由から壁と建具の関係には両側10mm程度サイズを変えているんです。
45mmの木下地に対して12.5mmの石膏ボードを両面に貼る一般的な壁の厚みは70mmになりますが、既製品の建具枠はそこから両側10mmずつプラスして、90mmの既製品が用意されています。

これはやはり45mmの下地プラス両側12.5mmで計70mmの壁が一般的だからこそ、90mmの建具が既製品として用意されているのでしょう。
今現在リフォームする前の段階で、マンションなどに住んでいる場合、自宅の建具について壁厚方向の寸法を測ってみると、恐らく90mm程度になるのではないかと思います。

それくらい壁と建具の関係は上図の関係が一般的だということですね。

強度などを気にして壁を構成する石膏ボードを余分に貼るとかも可能ですけど、まずは壁に使う石膏ボードの分だけコストが上がることになります。
そしてさらに、その壁に取り付く建具枠も大きくなるので、コストはやはり高くなってしまう方向になります。

もちろんそうした性能が必要な壁であれば、壁を厚くするのは当然です。
しかし例えば廊下とクローゼットの間にある壁であれば、単純に間仕切りとしての性能があれば良い訳ですから、標準的な壁厚と建具の構成で問題ないはずです。