断熱材吹付の状態

リフォームをする自宅がマンションである場合、建物の外周は共用部として「工事することは出来ない範囲」となります。
例えばマンションそれぞれの住戸毎に外壁がリフォーム可能になっていたら、住人によってはタイルの色を変えたりする可能性があります。

そんな変なことをする訳がない…と思うかも知れませんが、それはその人それぞれの感覚なので、そうした感覚に任せておく訳にはいきません。
なので、マンションの外壁とか、外周を構成しているコンクリートの壁などは、マンション全体の共用部として扱われることになります。

そうしないと建物全体のイメージを保つことが難しいです。

マンションの共用部に対して、住戸を購入した方が自由に出来る部分を「専有部」と呼びます。
共用部と専有部の区分は一般的に、外壁の内側と住戸間壁の内側という区分になっていて、コンクリート壁から内側をリフォーム工事出来るということになっています。

前回の話では壁の構成について幾つかのパターンを紹介しました。
今回は引き続き壁の納まりということで、共用部である外壁コンクリートに対して壁がどのように仕上がるのか、という部分について考えてみたいと思います。

まずは基本的な話として、外部に接する壁を外壁と呼びます。
建物の構造によって違ってはきますが、マンションであれば大抵の場合壁はコンクリートになっていることが多いと思います。

タワーマンションなどの高層建築であれば鉄骨造になるので、壁はコンクリートではなく乾式の壁、ALCや押出成形セメント板などが使われますが…
そこまでの高層マンションでなければ、外壁はコンクリートで構成されている場合が多いはず。

なぜならその方が経済的だから。

外部に面する壁に求められる性能はいくつかあります。

・建物の外観を美しく見せる意匠性

・建物の中に水を入れないという止水性能

・建物外の騒音をある程度遮断するという遮音性能

・建物外の気温をある程度遮断するという断熱性能

これらの項目を考えると、コンクリートで構成される外壁は、止水性と遮音性については問題なく性能を満たしていることになります。
質量の大きい物質は音を通さない傾向にあるので、ある程度の質量を持っているコンクリートの外壁はそう言った意味では効率の良い材料なんです。

あとは建物の外壁を美しく見せるという点ですが、これはコンクリート壁に対してどんな仕上をしていくのかを選ぶだけ。
タイルを貼るのも良いですし、吹付をするのも、あるいはコンクリートをそのまま見せるのでも良いという自由度の高さがあります。

もちろんそこはマンションの住人が決めるものではなく、逆にその外観を見て購入を決めるという感じになると思いますが…

そして最後に断熱性能ですが、これはコンクリートという材料に備わっていない性能なので、何かしらでその性能を補う必要があります。
具体的には、外壁コンクリート壁の室内側に断熱材を吹き付けるというやり方が一般的です。

断熱材吹付の状態

外壁の外側に断熱材を入れる「外断熱」という考え方の方が、断熱性能を考えると効率は良いのですが、これをやると外壁側の仕上が結構大変になります。
なので、室内側に断熱材を吹き付けるやり方を選択する場合が多いです。

このあたりの工法選択は、マンションを新築する際に設計者がどのような計画をするのかによって違いますが、あまり外断熱は多くないのが現状です。
断熱をどこまで考えるのかも設計者や施工するゼネコンによって基準が違うはず。

中古マンションを購入してリフォームをする場合、内装を解体してみないと断熱材の状況が分からないという話があります。
外壁の室内側壁をどのように仕上げるのかは、解体をしてみてから判断する場合もあるので、まずは早めに解体をする段階まで計画を進めたいものです。