住戸内の壁に求められる性能には幾つかの種類があって、場所によって必要な壁の性能を持たせておくことがまずは求められます。
具体的には以下のような性能が求められる訳ですが…
・部屋を区切る間仕切りとしての性能
・隣の部屋に音が聞こえないような性能
・火災時に避難するために必要な性能
マンションであれば、住戸内の壁に求められるのはシンプルに「間仕切り」としての性能だけになる場合が多いです。
住戸と住戸の境界となる壁には遮音性能や耐火性能がある壁が用いられることになります。
これは隣の住戸での生活音がこちらに聞こえないようにするため、そして逆にこちらの生活音が隣の住戸に聞こえないようにするためです。
よく聞く話として、住戸と住戸の境界になる壁の性能が低いと「隣に住んでいる方が新聞紙をめくる音まで聞こえる」場合もあります。
これでは生活していてストレスが溜まるしトラブルの元になるので、こうした住戸と住戸の間には高い遮音性能を持った壁が採用されます。
住戸内の壁でそこまで遮音性能が求められる場所があるかと考えると、あまりないような気もします。
ただ、正式に遮音性能を持った壁にしなくても、例えば壁を構成する石膏ボードをどこまで貼るのかによって、少しは音の聞こえ方が変わってきます。
通常の間仕切りは天井まで石膏ボードを貼るのが一般的です。
部屋と部屋を仕切るという目的であればそれで充分なので、材料のコストや施工性などを考えると上図のような関係になる訳です。
ただ、当たり前の話として天井内は同じ空間になっているので、隣の部屋に音は伝わりやすい状態になっているとも言えます。
例えば寝室と居間の間で少し音が聞こえないようにしたい場合は、石膏ボードを天井までではなく上の階の床コンクリートまで貼りのばしていく。
そうすることによって、よりしっかりと部屋と部屋の間を仕切ることが出来ます。
天井までで壁を止めた場合に比べると、上階の床コンクリートまで壁をのばした方が、音の伝わりにくくなるのはイメージ出来ると思います。
こうした壁の使い分けをすることによって、多少はそれぞれの部屋で発生する音を伝えにくい状態にすることが出来ます。
とは言っても、木下地に石膏ボードを両面1枚貼った壁の性能では、そこまで高い遮音性能を期待することは出来ません。
本当に必要であれば、住戸と住戸を仕切る壁に使われるような、しっかりとした遮音性能をもった壁を使った方が良いです。
音の伝わりやすさは当然壁の質量によって違うので、まずは石膏ボードを2枚貼る。
なおかつ壁下地の空間には空気の振動を伝えにくくするため、グラスウールなど音を吸収する材料を入れていく。
そうすることによって、高い遮音性能を持った壁が出来上がります。
石膏ボードのメーカーである吉野石膏さんは、こうした様々なニーズに合わせてたくさんの遮音性能を持った壁が用意されています。
実際にどんな間仕切りが用意されているのか、一度吉野石膏さんのウェブサイトを見るとなかなか面白いですよ。
壁の厚さが大きくなるので部屋は微妙に狭くなるし、なによりお金が余計にかかることにはなりますけど、要望さえ出せばこうした性能を持つ壁を採用することが出来ます。
寝室に遮音性能を持たせるという考え方もアリだとは思いますが…
家族全員が生活する家の中で、そこまでの遮音性能が必要になるかと言うと、少なくとも私は必要ないのではないかと思ってしまいます。
このあたりの判断は人によって色々なので、選択肢としてこうした壁の仕様があることだけは知っておいても損はありません。








